乗りたい気持ち

少し前から普通自動車免許で125ccのバイクが乗れるように・・・なんて話題が出てますね。

目的としては125ccまで拡大することでバイクの販売数を伸ばそうってことみたいですが、いろいろと賛否両論が巻き起こってるようです。

 

個人的には125ccまで乗れるようになること自体に反対ではないです。でも、だからと言ってバイクの販売台数が増えるかという点についてはかなり疑問。

50ccの30km/h制限とか2段階右折とかめんどくさいのが新たに免許を取ることなく51~125ccで解放されるなら歓迎する人は少なからずいるとは思いますけど、それじゃ今までクルマの免許を持ってても50ccに乗らなかった人が「じゃあ乗ろうか」となるものでしょうか?たぶん、バイクに興味のないほとんどの人は125ccまで乗れるようになってもバイクには乗らないと思います。

だって、クルマではなくバイクに乗る動機がないんだもん。

夏は暑いし冬は寒いし雨には濡れるし荷物積めないし、クルマ持ってれば何ら心配することないのに、そこをあえてバイクに乗るだけのメリットなんてほぼないでしょ?

125ccまで乗れるようになれば販売台数が伸びる!なーんてのはバイクに乗らない役人主導で言ってるだけのような気がするのは私だけでしょうか。

 

バイク人口が減るのはもっと根本的な「バイクに乗りたい」と思う人がいないからじゃない?

私が子どもの頃はスーパーカーブーム真っ只中で、憧れるのはカウンタックや512BB、小学校高学年の頃にはちょうどファミコンが出始めてはいたけれど今ほど娯楽が豊富な時代でもないし、プラモデルやラジコンなどのクルマ・バイクにばかり目が向いていたものです。必然的に16歳になればバイクに乗りたいと思うし、18歳になればクルマに乗りたいと思っていたし、実際そうしてきました。もうそれしか考えてなかったって言っていいくらいです。

ロードパル

16歳で原付免許を取って、自分のバイクを買うまでの少しの間、親戚のおじさんの倉庫に眠ってたロードパルを借りていました。ロードパルなんて知らないですよね?ラッタッタって言ってももっと知らないか(笑)。カウンタックには遠く及ばない全開でも50km/hも出ない激遅バイクでしたが、初めて人間以上の力を発する原動機で道路を走るという行為はスピードに関係なくとてもワクワクしたもので、「バイクって最高♪」と思う気持ちはロードパルの何倍もの排気量のバイクになった今でも変わることはありません。

でも、バイクに乗らずにクルマの免許を取った人ってバイクの魅力を知ることなくそのまま過ごしていきますよね。クルマに対して大きなメリットのないバイクにあえて乗る理由なんてないわけで、それは50ccだろうが125ccだろうが1000ccオーバーだろうが同じ事。

バイクに乗る理由はだた一つ、「バイクに乗りたい」から。

だから免許制度ウンヌンでバイクに乗る人が増えるとはあまり思えないんですよね。

 

あとは世の中がバイクに乗りたいと思う気持ちを妨げる方向に動いてるのも大きいと思います。

法律的には16歳になればバイクの免許が取れるのに、多くの高校ではバイクに乗ることはもちろん免許を取ることすら禁止しています。学校にナイショで免許を取ったとしても、今度はバイクを買うためにしたいアルバイトも禁止されてたりします。私が学生の頃でもそんな感じでしたから、その世代が親となった今の子どもたちに「バイクに乗ってもいいよ」という親なんてかなり少ないだろうし、むしろ「バイクなんて危ないからダメ!」という親の方が多いでしょう。で、バイクに乗ることなくクルマの免許を取ってバイクに乗ることなく親になっていったらバイクに乗る人が減るのは当たり前かもしれません。

バイクを売りたいならまずは若者がバイクに乗れる環境を。

入口締め切った状態では誰も入ってきませんよ、と思うのでした。