旧車の文化的価値を

こちら、この前Facebookでシェアされていた日刊自動車新聞の社説。

日刊自動車新聞

 

クルマにあんまり興味がない(この場合は趣味としての意味で)人からすれば、古いクルマが増税されるのは燃費悪くて排ガス汚いんだから当り前で、それを不当と思うのは古いクルマに乗ってる人の自己中心的な考えぢゃんと思うかもしれません。

でも、全体から見たら日本国内で走ってるクルマの総数の1%にも満たないクラシックカーに重税かけてスクラップにしていくのはエコとか税収とかそういうのとはちょっと違うんじゃないかと思うし、古いクルマが出し続ける環境負荷と新しいクルマを作る時の環境負荷では果たしてどっちが多いのかって疑問もあります。

欧米には古いものを大切にする文化があります。それは建築物だったり、家具だったり、工業製品だったり様々ですが、それ自体が商業的価値を持っていなくても文化的価値が認められていて、それを保護する姿勢が自然と根付いています。もちろんクルマも。

日本もかつてはそうじゃなかったでしょうか。私が子どもの頃はモノを大切にして壊れても修理して長く使うのが普通の生活としてありました。家電だって壊れたから新しいのを買うのではなく、町の電器屋さんが直しに来てくれてたし、燃費が悪いからクルマを買い換えるなんて発想もなかったと思います。

それがいつからか「経済=消費」みたいになって、家でも家具でも家電でもクルマでも食べ物でも、古くなったら新しいもの、壊れたら新しいもの、新製品が出たら新しいもの、そんな社会になってしまいました。

新しいものを決して否定はしません。必要な場合もあるし、まっさらの新品を買うのは気持ちいいですし。

でも、1つのものを長く大切に愛着を持って使い続ける文化も忘れてほしくない。

生産の終わった古いクルマは減ることはあっても増えることはありません。壊れたら部品が手に入らなくて修理できなくて廃車になるかもしれないし、事故で廃車になるかもしれない。自然に淘汰される運命にあります。

だから、文化的価値を認めて保護するために減税・・・・してくれれば一番いいけれど、そこまでしなくともせめて現行車と同じ扱いにしてほしい。部品が高かったり、メンテ箇所が多かったり、現行車より維持費がかかるのはオーナーもそれを承知で乗ってるんだからそこについて文句を言う人はいないでしょうし。

1つの国にこんなにたくさんの自動車メーカー・オートバイメーカーがあるのは日本だけ。日本車は世界中で走っていて、その性能や技術は世界中から信頼されています。

できることなら、性能や技術だけでなく文化の面でも世界をリードできるようになってほしいなと願います。